20代の転職の場合、「あまり経験がない」という人も少なくありません。第二新卒や未経験可の求人もあるので、年齢別のアピールポイントや転職回数が多い場合の対策などを確認しましょう。
20代が応募できる「未経験可」の求人は多い
「経験のない20代で応募できる仕事は限られている」と思われがちですが、そんなことはありません。例えばLiigaでは、以下のような「未経験可」の求人が掲載されていました。(※2022年11月29日時点)
求人例① 経営企画・コーポレート企画
- 大手ゲーム・エンタメ系IT企業
- 年収:400万-750万
- 主な業務:本社、グループ会社の管理など
- 必要なスキル・経験
- 社内/社外的な折衝能力、問題解決能力
- 社内外に向けて正確に発信する文書等の作成経験
求人例② 総合職(広報)
- 医療系学校法人
- 年収:400万-500万
- 主な業務:生徒募集に係る計画策定、広報戦略の構築など募集業務全般
- 必要なスキル・経験
- 大学卒以上
- チャレンジ意欲/新たなもの・ことへの吸収力
- 高い当事者意識・主体性
- 業務改革や継続的な改善を通して事業・組織に貢献した経験
- 学校経営・教育ビジネスに関心の高い方
求人例③ 金融営業アシスタント
- 年収:350万-450万
- 主な業務:リード獲得にむけたアプローチリストの作成・管理、案件資料の作成等
- 必要なスキル・経験
- 上位大卒以上
- 社会人経験2年以上をお持ちの方
求人例④ SNSコンサル・コーチング
- 年収:540万-960万
- 主な業務:経営者への取材、記事制作、Twitterリサーチ、顧客報告など
- 必要なスキル・経験
- 高校卒以上
- Twitterを普段から使っている・使ったことがある・好きな方
- 正社員でのご経験3年以上
憧れの業界に転職できることも
未経験での転職のしやすさは、職種や業界によっても差があります。特に営業、企画・マーケティング、事務・経理・人事は、未経験可の求人が多いです。
また経験が求められるイメージが強いコンサルタント職も、実は「専門知識は入社してから身につければ良い」というスタンスの会社も多く、未経験や第二新卒の募集をしています。
コンサルティングファームには様々なクライアントがいるので、「事業会社の意思決定プロセスを知っている」「金融の知識がある」といった他の業種での経験が高く評価されるケースも珍しくありません。
未経験や第二新卒は20代が有利
一般に、求人には対象年齢が明記されていません。しかし「第二新卒」や「未経験可」として募集しているのであれば、若い人ほど有利になるケースが多いです。
何より、若い人であれば、成長した後も長く活躍してくれることが期待できます。
また30代以降になってアピールできる経験がないと「今まで何をしてきたのだろう」と思われがちです。その点、20代であれば「まだ社会人になって日も浅いし経験がなくても仕方ない」と好意的に解釈されやすいです。
【関連記事】「未経験でも挑戦可能?」 ITコンサルに求められる3つのスキル
「20代前半」「20代後半」それぞれのポイント
20代といっても、20代前半(社会人1~3年目くらい)と20代後半(社会人4年目以降)では、企業が求めるものは大きく異なります。そのため、年代ごとのアピールポイントや注意点を確認しておきましょう。
20代前半はポテンシャル+αのアピールを
20代前半や社会人1~3年目は「第二新卒」とも呼ばれる世代です。企業は「新卒とほぼ同じ」と認識しているため、スキルや専門性は期待していません。
しかし、数年とはいえ社会人経験があるからこそ「ただの学生と同じ」と思われてしまうのは損です。そのため、以下を意識するようにしましょう。
- 「できること」と「やりたいこと」を整理
- 言葉遣い、振る舞いなど、社会人としての基礎知識やマナーは必須
- ポテンシャルや意欲をアピールできる材料を用意
転職を考えたら、まずは「できること」と「やりたいこと」の整理をしましょう。学生には「やりたいこと」しかなく、またこの二つを整理して話せない人も多いため、これができているだけで好印象です。
書類や面接の際には、社会人としての基礎であるマナーや言葉遣いに気を付けるようにしましょう。「社会人として働いたことがある」「基礎はできている」というアピールになります。
採用の決め手になるのは、ポテンシャルやその原動力となる意欲です。ただし意欲をアピールするだけでは「客観性がない」「論理性に欠ける」と判断される可能性もあるので、根拠を示しながらポテンシャルや意欲をアピールできるようにしましょう。
例えば「自発的にXXを勉強している」「今の仕事でも、業務の範疇ではないがXXに参加している」など、既に何らかの行動をとっているとアピールがしやすいです。また業界についてしっかり勉強しておき、それを志望動機などに上手く反映できれば、意欲があることが伝わるでしょう。
【関連記事】「満足する成長環境と待遇を得たい」と考える第二新卒が磨くべき能力とは
20代後半は「できること」を上手くアピール
20代も後半になると、何らかの経験を積んでいるものです。専門知識やスキルとはいえなくても、今までの経験を上手くアピールし、また転職に失敗しないためにも以下を意識しましょう。
- 社会人生活で学んだ「できること」を漏らさず棚卸し
- 「できること」を次の仕事内容やポテンシャルにつなげてアピールする
- 待遇・働き方・社風など「こちらも見極める側だ」という意識を
「できること」というと目覚ましい成果や実績のことを考えがちですが、「毎週X本の提案書を作成してきた」「後輩の相談にのりながらチームで仕事を進めてきた」なども重要な経験です。こうした「できること」を棚卸しして、上手くアピールしましょう。
「できること」を次の仕事でどう活かしたいと考えているのかまで伝えられれば、ポテンシャルや意欲が高いことのアピールにもなります。
「できること」の棚卸しや面接でのアピールは、一人では準備が難しいことも多いです。そうした場合は、転職エージェントを活用するのも選択肢の一つです。
書類や面接対策は転職エージェントを上手く活用して!
転職エージェントは、希望を聞いて求人を紹介するだけでなく、その後の書類や面接対策をサポートしてくれる存在です。
履歴書の書き方のような基本的なチェックはもちろん、「できること」「やりたいこと」を棚卸しして自己PRに繋げるヒントをくれることも。一緒に面接のシミュレーションをして、面接での振る舞いや志望動機の伝え方をアドバイスしてくれる面倒見が良いエージェントもいます。
自分からは伝えにくい給与や勤務地について間に入って交渉してくれることもあるので、初めての転職の時には特に心強い存在です。
Liigaでは様々な転職エージェントを紹介しており、利用者の口コミも見られるので、転職エージェント選びにぜひ活用してください。
20代転職の悩みと対処法
Q&A 20代で転職回数が多いとマイナスになる?3年は我慢すべき?
「新卒の会社で3年は我慢すべき」といわれることもありますが、大卒の入社3年以内の離職率は約3割(令和2年度厚生労働省調査より)と、今や20代前半での転職も珍しくありません。そのため1~2回の転職歴なら問題にならないことが多いでしょう。
ただし「新卒3年目で3回転職歴がある」など極端に転職回数が多いと、「すぐ辞めるのではないか」と思われて、採用されにくくなることもあります。
そのためこれから転職する人は、「少なくとも数年は納得して働けそうか」という目線を持って転職先を選ぶようにしましょう。既に複数回の転職歴がある場合は「なぜ転職したのか」「なぜ今回は長く働けると考えているのか」をしっかり説明できるように準備してください。
Q&A 経歴に自信がないのだけど自己PRはどうすれば良い?
20代の場合、今後の成長を期待してのポテンシャル採用が多く、今までの経験や経歴は重視されないことも多いです。
そのため意欲や向上心を上手く伝えることが重要です。セミナー参加など「独学ではあるが勉強してきた」というのも、意欲が伝わりやすいです。
トラブル対処能力やコミュニケーション能力などもスキルの一種なので、広い視点をもってアピール材料を探しましょう。
また社会人として基本的な言葉遣い・振る舞い・服装ができるのも重要です。「報・連・相」がきちんとできること、ワードやエクセルなど基本的なツールが使えることなど「社会人として当たり前」のポイントが評価に繋がることもあるので、さり気なくアピールすると良いでしょう。
Q&A 資格はとっておいた方が良い?
資格は「あればベター」くらいに考えておくと良いでしょう。税理士や薬剤師のような国家資格を除けば、資格がなくても転職に問題はないというケースが多いです。
ただし「独学で資格を取得した」「資格取得に向けて勉強中」というのは、その業界への関心や意欲をアピールするのには好材料です。
Q&A 派遣や非正規から正社員になることもできる?
特に第二新卒として募集している求人であれば、学生を採用するのに近い感覚で募集をしているケースがほとんどです。そのため、これまでの雇用形態が派遣や非正規であっても、大きなマイナスにはならないでしょう。
「色んな派遣先にすぐ馴染むことができた」など、これまでの経験をプラスに変えてアピールすることを心がけてください。
Q&A 今より良い会社を見つけるには?
まずは、自分の中の条件を明確にすることから始めましょう。給料、休日日数、残業時間などについては、最低条件や優先度までハッキリさせておくと良いです。
また長く働くことを見据えるなら、一緒に働く人や会社の雰囲気なども重要です。この辺りは相性の問題もあるので、面倒臭がらずに色んな人の話を聞いてみましょう。選考が進んでも社風が分からない場合は、「同僚となる人とも話してみたい」と頼んでみるのも一つの手です。転職エージェントの話を聞くのも良いでしょう。
また内定が近くなったら、研修やトレーニング制度についても確認しておきましょう。「未経験可」と書いてあるのに研修やトレーニングがない場合、入社してから苦労する場合もあるので注意してください。
ここまでご紹介したように、20代は未経験の仕事にチャレンジしやすい年代です。未経験可や第二新卒の求人も多いので、「前から気になっていた」という仕事があれば、まずは選考を受けてみると良いでしょう。
Liigaは20~30代のキャリアを支えるサービスで、未経験可や第二新卒の求人も多数掲載しています。会員登録をするだけで自分に合った求人が届くので、忙しい人にもぴったりです。転職活動に迷ったら、口コミから転職エージェントを選んでアドバイスを受けることもできます。ぜひ活用してみてください。