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ゴールドマン・A.T.カーニー出身CFOに聞く「スタートアップのCxOになれる人・なれない人」【ハウテレビジョン執行役員との特別対談・前編】

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プロフェッショナルファームや大手事業会社の次のキャリアとして、今人気が高まっている「スタートアップのCxO」。しかし、CxOはどんな仕事をしているのか、CxOになるにはどんなキャリアやスキルセットが必要か、知らない方も多いと思います。

そこで今回は「CxOになるには」をテーマに、ゴールドマン・サックス証券、A.T.カーニーを経て株式会社WACULにCFO(Chief Financial Officer)として参画した竹本氏と、Liigaを運営する株式会社ハウテレビジョン執行役員の千田が対談しました。前編ではCxOはどんな仕事をしているのか、CxOになるために必要なスタンス・スキルセットについてお届けします。

後編はこちら:「一つの専門を深めるだけではCxOになれない」ゴールドマン・A.T.カーニー出身CFOに聞く、CxOになれる人・なれない人【ハウテレビジョン執行役員との特別対談・後編】

〈Profile〉
写真/竹本 祐也(たけもと・ゆうや)
株式会社WACUL 取締役CFO
京都大学経済学部を卒業後、2008年4月にゴールドマン・サックス証券株式会社に入社。 2013年7月にA.T.カーニー株式会社へ。マネージャーとして、グローバルの大企業に対し、通信・メディア・テクノロジー業界を中心に、長期経営戦略および事業戦略の策定、X-Tech領域での新規事業立案など数多くのプロジェクトを手掛けてきた。
2018年7月に、AIを活用したデジタルマーケティングのデータ分析に基づく改善提案SaaSツール「AIアナリスト」を展開するなど「行動データ分析」に強みを持つDX(デジタルトランスフォーメーション)プラットフォームを提供する株式会社WACULの取締役CFO就任。日本証券アナリスト協会検定会員。
▶外資就活相談室:竹本祐也 | CFO at WACUL
▶Twitter:@tkmtyy
〈Profile〉
千田 拓治(ちだ・たくじ)
株式会社ハウテレビジョン 執行役員Liiga事業本部長
一橋大学社会学部卒。新規事業領域に特化したコンサルティングファームであるプライマル株式会社にて、総合商社・通信キャリアを中心に数多くの新規事業案件を支援。2015年株式会社リブセンス入社。新規事業「転職ドラフト」を立ち上げ、同社の新規事業の中でも最速で黒字化を実現した。
2017年9月に株式会社ハウテレビジョン入社、2019年4月より執行役員コンテンツ&マーケティング本部長。2019年9月より執行役員Liiga事業本部長。
▶Twitter:@chidanun




【目次】
・世の中のCFOは2種類。「攻撃型CFO」と「守備型CFO」
・ウチのCxOはお互いゴリゴリに殴り合っている
・CxOになりたければ「意志」を周りに表明せよ
・CFOになるには「財務の叩き上げ」だけでは難しい

世の中のCFOは2種類。「攻撃型CFO」と「守備型CFO」

千田:竹本さんはCFOの中では「攻撃型CFO」だとお聞きしました。そもそもCFOにはどのようなタイプがあるのですか?

竹本:世の中のCFOは、大きく二つのタイプに分かれると思います。 一つは「守備型CFO」。こちらは監査法人出身の方が多いのですが、細かい経理実務や資金繰り、内部統制などの面に強みがあるタイプです。もう一つは「攻撃型CFO」。資金調達や事業への投資を決める戦略立案などを含めた経営企画に強みがあるタイプですね。こちらは投資銀行出身者が多いと思います。

千田:なるほど。そう考えると例えば弊社(株式会社ハウテレビジョン)CFOは監査法人出身なので、どちらかというと一つ目のタイプでしょうか。竹本さんは二つ目のタイプになるわけですね。

竹本:昔のCFOは監査法人出身の方が多かったと思います。しかし最近は外資系投資銀行出身のCFOが増えていると思います。正直、投資銀行出身者は経理実務などは強くないですね。私自身も、一応簡単な簿記はできますし経理実務は理解していますが、細かい部分は今も分からないです。

千田:経理実務については、他のメンバーに任せているんですね。

竹本:任せています。ただ大まかには実務を理解しているので、他のメンバーから上がってきた数字を見たときに、資産化と減価償却、資金繰りの状況の把握などの財務分析面でフィードバックすることはできますね。 一方で、証券アナリストや戦略コンサルの経験もあり、投資家に効果的に自社の戦略を伝えることには自信があります。例えば、会社としてどういう方向に向かって進んでいくのかを伝え、それを中期経営計画の財務モデルに落とし込み、ここにX億円のリソースを投下するとリターンがY億円見込めそうだ、という戦略を描くことは得意領域です。あとは、「自社の成長ドライバーは何だろうか?」と、細かくKPIをドリルダウンし、成長ドライバーを特定できることも強みです。

千田:証券アナリスト出身の竹本さんはそこに強みがある一方で、IBD出身の方は外資系投資銀行出身者であることは同じですが、強みは資金調達やファイナンスにある印象です。

竹本:そう思います。証券会社出身CFOの中にもさらに2つのタイプがあると思っています。投資銀行部門などのプライマリー業務出身者か、私がいたマーケット部門などのセカンダリー業務出身者の2つです。

利益相反管理の観点から、この2つは投資銀行内でも情報が互いに遮断されています。私がいたゴールドマン・サックスのマーケット部門と投資銀行部門では、まず電話が繋がりません。階は違いますし、エレベーターも違います。情報交換は一切しない。そのため、この2つはかなり特徴が異なるんですよ。 投資銀行部門出身者は企業の財務部の人とよく付き合っているので、お金を集めることやM&A実務は強いと思います。逆に私はこの面は弱いと思いますね。 一方で私はマーケットサイドはよく理解しているので、IR(インベスター・リレーションズ)やSR(シェアホルダー・リレーションズ)のことはよく分かるし、機関投資家が何を気にして、どう動いているかという、バリュエーション(企業価値算定)の力学やそれを上げるために何を企業として何を行いどう伝えるべきかについては熟知していると思います。

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ウチのCxOはお互いゴリゴリに殴り合っている

千田:企業によって経営陣の中での役割分担は少し違うと思います。貴社の経営陣の場合は、どのように役割分担していますか?

ちなみに弊社(株式会社ハウテレビジョン)の事例をお話しすると、取締役はCEO(Chief Exective Officer)・COO(Chief Operation Officer)・CFOの3人です。事業は主に外資就活ドットコムとLiigaという2つの事業を展開していますが、今年(2019年)の8月まではこの2つの事業の責任者はCEOとCOOが2人で担っていました。CFOはコーポレート機能の管掌です。そこに2人の執行役員が、CMO(Chief Marketing Officer)とCPO(Chief Product Officer)として、2つの事業のマーケティング領域とプロダクト領域を横串で責任を担うというフォーメーションでした。いわゆる「マトリクス型組織」ですね。 2019年9月以降からは事業部制に変更し、執行役員2人が2つの事業の事業責任者をそれぞれ担う役割分担に変えています。

竹本:弊社の場合は、まず私自身は今CFOとしてコーポレート機能全体を管掌しています。弊社の場合、取締役は社長を入れて4名です。社長と、コーポレートを持っている私と、ビジネスを持っているCOO。そして新規事業を作っていくCIO(Chief Incubation Officer)という役割分担になります。

千田:CIOはあまり耳にしない役割ですね。

竹本:簡潔に言うとCIOはR&D機能です。中長期を見据えての新規事業や新しいちょっと「ぶっ飛んだ」機能開発を担当しています。普段、既存サービスの機能アップデートはCOOが管轄するのですが、既存事業から少し飛び地のエリアの機能開発については全てCIOの仕事になる形です。そこでPoC(proof of concept /概念検証)をやってもらっています。 その中で有効性が検証され本格的に事業となることになったものは、COOの管轄に移る形です。つまり、CIOは事業の種を育てる役割ですね。

千田:貴社の場合、CEOとCOOは主に何を担当されていますか? ちなみに弊社の場合は、CEOは会社の最終意思決定に加え、UX、すなわちユーザー体験に責任を負っています。世間の言葉で言うと、CEOはCPOを兼ねる形に近いですかね。一方でCOOは、収益やKPIの目標達成責任を担っています。あと人事権もCOOが担当していますね。そしてCFOは、人事以外のコーポレート部門とファイナンスに徹するというそんな感じです。

竹本:そういう意味ですと弊社の場合、CEOは最終意思決定者である以外、何も固定して責任を負わず、機動的に動く形になっています。例えば、大きなアライアンス先であり元々CEOが仲がいい企業とのプロジェクトは、そのままCEOが担当しています。 一方でCOOは既存事業を伸ばしていく役割です。プロダクトの改善、UI/UX、開発部隊もCOOの管掌です。開発部隊も率いながらプロダクトと顧客の両方を伸ばしていくのがCOOの役目になっています。また、CIOもあくまでPoCの範囲で一部収益責任を持っています。

千田:竹本さんはCFOですよね。どのような役割を担っていますか。

竹本:私の役割は当然、単純にコーポレートそのものを伸ばしていくことと、安定するよう整備することです。具体的には人事機能、ファイナンス機能、そして広報・SR機能がメインミッションです。ただ広報について、うちの会社はBtoB でかつ中小企業向けのプロダクトだからあまり強化してもインパクトが小さいので、片手間程度です。

千田:会社の全体戦略、つまりCSO(Chief Strategy Officer)の仕事についても竹本さんが担当されていますか?

竹本:いえ、弊社の場合はCSOの役割をみんなで獲りに行く形ですね。定期的に中長期戦略については役員合宿をして、そこで決めます。また、走りながら何か戦略アイデアがあれば経営陣各自が経営会議に持ち寄ります。

千田:そこは弊社と違いますね。弊社はどちらかというと、CEO・COOが全体戦略を引っ張り、CFOは全体戦略の実現を財務面で下支えするというフォーメーションです。

竹本:経営陣のスキルセットが違うからかもしれないですね。弊社の経営陣は、実はほぼ全員コーポレートと戦略、両方のスキルセットを持っています。 弊社のCOOは、経営共創基盤でのコンサルタントの経験もベンチャーでのCFOの経験もあります。さらに公認会計士試験にも受かっていて、前職の時に上場準備を担当していました。監査法人にはいなかったんですけどね。またCEOはボストン・コンサルティング・グループ出身であり、さらに立ち上げてから私が入るまで、ずっとコーポレート部門を管掌していました。CFOの私も、A.T.カーニーにいて、更に外資系投資銀行にいた経験があります。 つまり、コーポレート部門の経験者が3人いて、さらに戦略コンサルタントも3人いる状態です。

千田:みなさんスキルセットが幅広いですね。貴社の場合、お互いの管掌領域に知見があるとなると、お互いの領域に口出しをする場面も多そうです。弊社は経営陣の専門性がパキッと分かれているので、比較的お互いの領域については任せ合う傾向があります。

竹本:確かにそうですね。みなCOO的な話とCFO的な話の両方とも理解しているので、独断専行しにくいです。お互い知識マウントもありません。むしろ「もっとそれはこうできるでしょう?」とお互いの領域をゴリゴリに殴り合っている日々です。 CEOもそれを求めていて、誰かの独断専行や属人的になりすぎることを好まないタイプなんだと感じます。

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CxOになりたければ「意志」を周りに表明せよ

千田:Liigaのユーザーには、「早期にCxOになりたい」と考えている方が多くいます。CxOになるにはどうしたらよいと思いますか?

竹本:自分の身の回りで言うと、まずスキル以前に、結局「自分から積極的に動いていた人」が皆スタートアップのCxOになっている印象があります。 例えば私自身も、CxOの仕事を探そうとエージェントに会ったり周りの人に話したりと、自分からずっと動いていました。私の周りでCxOになった人も同様ですね。入社したルートは、エージェント経由だったりWantedly経由だったり色々ありますよ。

千田:Wantedly経由でもCxOとして入社できるんですね。

竹本:そういう事例も少なくないんですよ。また、知人経由でCxOに入社したパターンはすごく多いと感じます。その理由を分析すると、日々自分の周囲の人に「CxOになりたいと考えているんだよね」と言っていると、「じゃあ竹本さんに興味持ちそうな会社を紹介するよ」となるのだと思います。実は私がWACULにCxOとして入社を決める前に、別のスタートアップからもいくつかオファーをもらっていましたが、知人経由が多かったです。WACULに入社したのもCEOと大学のゼミの先輩・後輩だったからでした。

千田:確かに例えば弊社の執行役員の佐々木も、代表音成の大学時代の友人であり、そのつながりで誘われたパターンですね。

竹本:結局、自分のチャレンジしたいという意思を周囲に表明することは、すごく重要だと思います。表明しているからこそ、CxOの仕事に関する情報が集まってくるのだと思います。 また、スタートアップ側も自分から発信できる人を求めているんじゃないかなと思いますね。スタートアップに飛び出して来ようと、うずうずししている人は、入社してもすぐバリューを発揮できるだろうと期待が持てます。逆に会社にこもっている人を無理やり引き出して入社させても、結局意思の問題であまりワークしないと感じます。

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CFOになるには「財務・経理の叩き上げ」だけでは難しい

千田:では、CxOになりやすい「スキルセット」はありますか? まずはCFOになりやすいスキルセットについて竹本さんのご意見をお聞きしたいです。

竹本:CFOに求められるスキルセットは時代の流れに応じて常に変化していると思います。以前は経理からの叩き上げや監査法人出身者が求められていたと思うんですよ。しかし最近は、それが変わってきて「監査法人出身者だと違う、投資銀行出身者だ」という新しい流れが来ていると感じています。

千田:なぜ投資銀行出身者が求められるようになってきたと思いますか?

竹本昔はCFOに求められる役割は、経営者というより、「財務責任者」だったんだと思います。その時代は財務・経理の叩き上げであればスキルセットは全然問題なくて、監査法人の業務に詳しい人だったらより良かった。

しかし今は、ただの財務責任者というよりは、「経営者としてのCFO」へのニーズが非常に強まっていると思います。そうなると、監査法人で新卒から5年やっていましたというスキルセットだけだと、どうしても経営者の視点を身につけるのが難しいのかなと思います。これは監査法人のスキルセットを否定するわけではありませんが。 逆に投資銀行で5年10年やっていた方の場合、経営者や企業の上層部と話す機会が必然的に多く、仕事としても経営戦略的な話をする機会が多いので、経営者の視点を身につけやすいのではないかと思います。彼らは仕訳処理のこまかな話ができなくても、CFOとして通用しやすいのです。

私の見えている世界では、数十億円以上調達している会社のCFOは、証券会社出身が多いです。シードを越えて、シリーズB以降になっていけば自然にバリュエーションのロジカルさが問われていくためという印象です。

ただ、“攻め”や“守り”などCFOに求められるものは、会社のフェーズやCEOの志向、ほかのCxOとのバランスなどの要素から適切に選ばれることが多いので、一概にどれが優れているといえるものではないと思います。僕がお話ししているのも、あくまでひとつのトレンドであって、投資銀行出身者のCFOが機能しづらい会社が増えれば、「やっぱり監査法人出身者のほうが確実だ」など、またトレンドの揺り戻しなどもあるでしょう。

千田:現在証券会社出身のCFOが多いのは、Exit前のスタートアップのCFOの場合、資金調達の際に会計のスキルセットは必ずしも必須ではないことも一因ですかね。

竹本:確かに、資金調達のコミュニケーションをする際に、ほとんど会計の話は出てきませんね。資金調達の場面では、まずは解決する課題とその市場性という長期目線の話、そして今後の中期経営計画で実現する事業像という中期目線の話、そこと現在までの推移とのつながりを説明します。いわゆるエクイティ・ストーリーというものですが、これはまさに経営視点で、そこで投資家から大筋合意がとれることがとても重要です。 そこを乗り越えて、はじめてDD(デュー・デリジェンス)をされることになります。そのDDの際にようやく会計の話が出てきますが、あまりに細かな1項目についての質問であれば「それは分からないので、後で調べます」と答えて経理担当者に確認すれば済んでしまう話です。

千田:そもそも経営陣の一人としてCFOには、会計処理の会話ではなく、資金調達や経営戦略の会話ができることを求めているということですね。

竹本:そう感じます。経営者としては、細かい会計処理はどっちでもいいと言うか、「ちゃんとコーポレート内で話して決めてくれたらいいよ」「正しくやってくれればいいよ」というレイヤーの話だと思います。むしろCxOになると、例えば財務面から「経営戦略の話」をちゃんと相談できることや、経営陣として対等な役割と会話ができることを求められます。

後編へ続く)

date_range 2020-01-15

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