未経験で飛び込んだ野村證券のM&Aアドバイザリー業務、「否が応でも成長できる」
2020/02/27
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「日本最大級のM&Aバンカー集団」である野村證券で、M&Aアドバイザリー業務を行う企業情報部。経験者だけが立ち入ることができる領域ではなく、未経験で入社しても活躍できる環境が整っているという。監査法人から転職を果たした田中裕之氏の経験談を通じ、その成長環境を探ってみたい。

〈Profile〉
田中裕之(たなか・ひろゆき)野村證券株式会社 企業情報部 企業情報二課 次長
東京大学経済学部経済学科在学中に公認会計士試験に合格。卒業後は大手監査法人に入所し、主に上場会社の会計監査、国際会計基準監査、内部統制関連業務、デュー・ディリジェンス業務等に従事。2008年野村證券入社。電気、精密機器、機械、自動車分野における大型M&A案件に従事する。

ここに来られなかったら監査法人を辞めなかったかも…強い思い入れで入った野村證券

――最初の就職先として監査法人を選んだ理由はどのようなものだったのでしょうか。

田中:学生時代、社会に出るにあたって何らかの専門性を持っていたほうがいいだろうと考えていました。当時、数字と社会のつながりを意識していたため、会計士という資格に興味を持ち、学生時代に当時の会計士2次試験に合格しました。まず監査法人に入所したのは、資格を生かして働きながら、今後のキャリアについて考えていければいいかと考えていたからです。

M&Aには、学生時代から興味を持っていました。監査法人に入所後、働きながら3次試験合格を目指し、会計や税務、法務などについて勉強をしている段階で、M&Aの事例にも触れることがあり、会社に対して与える重要なインパクトに興味を抱きました。

また、M&Aに対しては市場やメディア、アナリストなど各方面から評価が与えられ、株価をも左右します。良い仕事だと評価されれば、期待したような結果や効果が得られるし、そうでなければシビアな評価が下ります。携わった仕事が色々な方に注目され、評価されることにも当時は面白みを感じていました。

監査法人には、約5年間在籍しました。仕事は非常に面白く充実していましたが、その一方で、学生時代から興味を持っていたM&Aという仕事に取り組んでみたいという気持ちも強まっていきました。

――監査法人ではなく、新卒からM&Aに関する業務に携わるという選択肢もあったかと思いますが。

田中:まずは会計士の資格を生かして監査法人に入所し、会計監査に携わりながら専門性を確立するべく基礎づくりをしたいと感じていました。M&Aは、十分な知見もないまま、すぐにできるような仕事ではないと思っていたのも確かです。

監査法人に在籍した約5年間に様々な経験をさせていただき、正式に公認会計士の資格も取得しました。30歳を目前にして、キャリアチェンジをするには最適なタイミングと考えました。また、「本当にやりたいことをやりたい」という思いも強くなっていきました。

本当にやりたい仕事、すなわち真剣にM&Aに取り組みたいと考えたときに、そのまま監査法人系のM&Aアドバイザリーやコンサルティングファームという選択肢もありました。しかし、お客様と一緒に最初から最後まで、全体を通してM&Aのサポートをしたいと考えていたので、M&Aアドバイザリー業務に強みのある投資銀行に注目しました。

中でも国内市場における実績がナンバーワンの野村證券で働きたいという思いが強まっていきました。野村證券に入れなかったら、監査法人を辞めなかったかもしれません。それくらいの思い入れがありました。

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初めは期待値を下回るパフォーマンスばかり。地道に知見を積み重ねて、チャンスに食らいつき、結果につなげた

――会計というスキルは持っていながらも、M&A業務は未経験でした。どのようなご苦労を乗り越えて今に至ったのか、教えていただけますか。

田中:入社当初は本当に大変でした。5年ほどの社会人経験を経て、M&Aの周辺業務にも関わり、それなりにお客様とも仕事をしてきたにもかかわらず、自分が自分に対して持っていた期待値のはるか下のパフォーマンスしか出せなかったと思います。

新卒入社3~4年目の若手と比べてもレベルの差は明らかでした。特定の分野、すなわち会計士が関わる分野については多少の強みはありました。しかし、M&Aアドバイザリー業務全体となると、関連する法務面や業界についての見識、その周辺知識など含め、全体を理解してないと、業務を円滑に進められません。

――全体を見ることが仕事の醍醐味であるけれども、全体を見るにはスキルが必要ということだったのですね。どのように行動して課題を克服していきましたか。

田中:とにかくチャンスはどんどん与えてくれる環境で、様々な仕事にアサインしてもらえるので、その中で何とか食らいついていくために、まずは自分で調べて、聞いて回りましたね。また、社内には膨大な過去実績の蓄積もあるので、様々な資料を調べたり、年齢的には下でも経験年数が上の同僚にアドバイスを求めたりと、とにかく地道にひとつずつ知見を積み重ねていきました。

――業務に必要なスキル習熟のため、会社のサポートはありますか。

田中:プロジェクトへのアサインについて、最低限の知識があれば対応できる仕事から始まり、段階的に求められる業務の範囲やレベルが上がっていきました。徐々にステップアップしていくような仕事の割り振りを考えてもらっていました。

周りは質問をすると手を止めて、きちんと質問に答えてくれたり、こういう資料や書籍があると紹介をしてくれたりする面倒見のよい先輩社員ばかりでした。チームで動くという観点では、当社には、経験値の高い方が経験年次の浅い者の面倒を見ながら、しっかり教えるという文化が根付いています。

さらに、様々な案件に関わりながら実践で学び、習熟していくのも、日本でも有数の案件数を誇る当社だからできることではないでしょうか。M&Aの案件は全く同じケースはあり得ません。ですから、実際の案件で経験を重ねれば重ねるほど幅も広がり、応用力も身についていきます。短期間に自分の知識や経験が増えていくわけですから、否が応でも成長せざるを得ません。

ターニングポイントになったのは、入社して2年目に小規模な案件でサブマネージャーを任されたタイミングです。案件の全体像が見え、お客様対応も任されるようになりました。

サブマネージャーは案件の責任者であるディールマネージャーをサポートしながら、お客様のリクエストに適切に対応できるようチームの中の役割分担を決め、チームメンバーの業務をレビューしながらブラッシュアップする非常に重要な職務です。

私は、すでに5年の社会人経験を経た後に入社したので、当時から1~2年でキャッチアップするつもりで仕事に突き進もうと考えていました。あらゆる仕事を積極的に引き受け、分からないものを分からないままにせず、自分ができる限りのことは目いっぱいやっていこうと考えていました。

――入社されて11年が経過。現在は次長というお立場でご活躍されています。現在の役割についてお聞かせください。

田中:現在、私が所属している企業情報二課は、電気、精密機器、機械、自動車分野を担当しています。ここ数年、かなり動きが激しかったセクターを担当させていただいているという実感があります。

そこで私はディールマネージャーとして、各案件の執行に責任を持つ立場で実務に従事しながら、チームメンバーに対し、新規案件のアサインやサポートといったマネジメント業務の一部も任されています。

――M&Aの世界における野村證券の強みと社会的役割についてどのようにお考えになられていらっしゃいますか。

田中:当社は、国内外におけるネットワークが広く、M&Aに関するあらゆる情報とご相談が集まってきます。中には最終的に案件化まで至らないようなお話もありますが、まずは様々なご相談をいただき、M&Aを検討する際のアドバイザーの候補として当社の名前をあげていただけるのは大変ありがたいことだと思っています。

また、当社には様々なサービスやプロダクトをしっかり提供できるプラットフォームがあるので、ワンストップでお客様に多様なご提案をすることができるのも強みの一つだと思っています。M&Aであれば我々のチームが主体となりますが、それ以外のソリューションの話になったときに、「オール野村」でご提案・執行ができる点も、私たちの特長です。

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責任が大きいからこそ感じるM&Aアドバイザリーの魅力

――改めて、11年のご経験を重ねたからこそ、実感値として感じていらっしゃるこのお仕事の最大の魅力、組織としての魅力はどのようなものでしょうか。

田中:入社当初、M&Aに関わる当事者に与える影響はもちろん、想像していた以上に社会的インパクトも大きいということを、身をもって理解できました。

お客様が大事にしてきた会社やビジネスに対して極めて重要な局面で関わりますし、それによって働く人やご家族の生活も変わっていきます。それだけに責任の重大さは感じますね。仕事が面白いということだけでなく、責任も感じているからこその魅力があるという感覚です。

組織の魅力は、若手にどんどん仕事を任せる文化にあると思います。チャンスがたくさん与えられ、しっかり成果を出していけば、次の機会が与えられる。非常に良い流れを自らが生み出せる点が魅力です。そして、メンバー全員が、業務に対して非常に前向きです。

企業情報部は、特にM&Aがやりたくて、この部に入ってきた人しかいないので、皆が非常にモチベーション高く仕事に取り組んでいます。前職を含めて様々な企業を見てきましたが、ここまで全員のモチベーションが高い状態で仕事ができる環境は他には見当たらないのではないでしょうか。

若手が比較的多い職場ですが、全員がこの業務に対して意欲的に取り組んでいるので、私自身も彼らから学ぶことが非常に多いと感じています。経験を重ねて業務に慣れすぎてしまうと、時には新たな視点を持てなかったり、柔軟な考え方ができなかったりすることもありますよね。企業情報部では、若手が真摯に業務に取り組んでいるため、刺激を受け、自分も頑張らなければという気持ちになります。

――この仕事に従事していると様々なスキルが身についていきそうですね。

田中:私たちのような立ち位置でM&Aの仕事に従事していると、あらゆる分野に関わることになりますから、当然、各分野における知識、経験が蓄積されていきます。

加えて、相手と協議をしたり、説得や交渉をしたりするといった局面も非常に数多くありますので、対人コミュニケーションスキルも研ぎ澄まされることは間違いありません。交渉相手との接点において、自らの力で解決していく問題解決能力も必要です。スキルが総合的に積み重なっていくという意味でビジネスパーソンとして相当鍛えられると思っています。

――田中さんご自身の今後のキャリアイメージと、今後、どういう形で会社に貢献していきたいかについてお聞かせください。

田中:この仕事自体はチームで進めていくものなので、より働きやすく、誰もが力を発揮できる環境を目指していきたいと思います。それが結果的にお客様のためになるかと思っています。当社としてはそのうえでお客様だけではなく、社会にとってインパクトを与えられるような案件に数多く取り組んでいきたいですね。

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コラム作成者
Liiga編集部
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