MBAと同じくらい学べる場、それがアドバンテッジパートナーズ
2020/05/12
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陳さんは現在、米ボストンのフィデリティ・インベストメンツに勤務(写真はすべて本人提供)

1997年、日本初のバイアウト専用ファンドへのサービスをスタート。日本のプライベート・エクイティ投資の黎明期から市場を創出してきたアドバンテッジパートナーズ(AP)は、難易度の高いプロジェクトに起因してか、業界内でも人材レベルが群を抜いて高いことで知られている。今回は、同社のOGであり現在は米ボストンの資産管理会社でリサーチアナリストを務める陳菲(チェン・フェイ)さんに話を聞いた。中国から日本に来てAPに就職した背景や、現在の仕事にも活かされているAPで得られた成長について掘り下げていく。

〈Profile〉
陳菲(チェン・フェイ)フィデリティ・インベストメンツ 株式リサーチアナリスト
東京大学工学部卒。修士課程修了後、2007年にアドバンテッジパートナーズ入社。アナリストとして、ウィングアーク、かざか証券、GST Auto Leather、Qin Jia Yuanを担当。フィナンシャルモデル作成、買収スキーム最適化、経営再建、そしてエグジット業務を実行。2011年にペンシルベニア大学ウォートンビジネススクールに留学のため退職。ウォートン卒業後は、ボストンにあるフィデリティ・インベストメンツに参画、現在に至る。フィデリティでは、主に日本株のリサーチ・投資助言を担当。

外資トップコンサルティングファームのオファーを断り、PEの世界へ

――これまでのご経歴を教えていただけますか?

陳:生まれは中国で、大学と大学院を日本で過ごしました。日本で学びたいと思った理由はシンプルで、中学生のころから勉強していた日本語を無駄にしたくないと考えたためです。読み書きはずいぶんトレーニングしていたので問題ありませんでしたが、スピーキングは少し苦労しました。家に帰ってから練習したり、上手な人のイントネーションを真似したりして、1、2年経った頃にはだいぶ改善されたと思います。

大学院卒業後に新卒でAPに入社しています。APは基本的に新卒を採用していないのですが、たまたまご縁があったんです。研究室の大先輩に、当時APでパートナーを務めていた方がいらっしゃって、担当教授を通じてその先輩にお会いして話をする機会があったことがきっかけです。

――そのまま迷いなく就職を決められたのでしょうか。

陳:就職活動を始めた頃はPEや投資ファンドという業種をあまり知らなかったこともあって、戦略コンサルティングファームや投資銀行を受けていました。そのような中、教授から「あなたはAPと相性がいいかもしれない」と言っていただいて応募を決めたのですが、業界を研究せずに面接に行くのも失礼なので、業界に関する本を買って一通り勉強しました。

PEの業務を私なりに理解した結果、これはコンサルティングと投資銀行をプラスした仕事だな、と。つまり、最初のソーシングや最後のエグジットは投資銀行の業務に似ていて、真ん中の数年間で経営支援をしていくプロセスはコンサルタントの業務に似ていると考えました。当時の私はその両方に興味があって就活していたので、APでコンサルタントと投資銀行の技能を両方身につけることができれば非常に効率のいいことだと思い、入社を決めました。

その前に外資のコンサルティングファームからもオファーをいただいていましたが、最終的には迷いはありませんでした。

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MBA取得のため、APを退職して米ペンシルベニア大学ウォートン・スクールに留学

お金をもらいながら新たな知識や技能を学ぶことができる。そんな環境、他にはそうそうない

――APに入社してからはどのようなキャリアを積まれたのでしょうか。

陳:APには2007年4月から2011年5月まで在籍していました。今振り返っても、非常に充実した4年間でした。もちろん、コンサルティングも金融も未経験だったので、同時に学べるのはラッキーである反面非常に大変なことでもありました。特に財務知識は不足していて、基礎的なところを勉強しつつ、トライアル&エラーを繰り返しながら少しずつ成長していきました。

コンサルティング領域で言うなら、ソフトウェア企業の取締役会に参加させてもらったり、証券会社のミドルマネジメントの方々と経営改善について議論をしたり、アメリカのレザーメーカーの経営課題を議論するために何度も現地に行ってマネジメント層とミーティングしたり、オフサイトに参加したり。当初の希望通り、投資銀行寄りの仕事とコンサルティング寄りの仕事双方に携わることができて、とても満足しています。

――中でも一番良かった点を挙げるとしたらどこですか?

陳:やはり新しい知識や技能をたくさん学ばせていただいたことです。APを離れた後にMBA(経営学修士)を取得するために2年間アメリカのビジネススクールに通いましたが、正直言って新しいことはほとんどありませんでした。

マーケティングや金融、アカウンティング、財務など様々なクラスを受講したものの、ほぼすべてAPで実務を通じて知っていたものでした。もちろん、それらを体系的に学ぶことができ、またアメリカのカルチャーに深く触れ、各国の留学生から刺激を受けることができる環境は非常にいいものでした。

それほどAPで数多くのことを学ばせてもらいました。よく人にも言うのですが、お給料をもらいながらたくさんの知識を学べる場所は他にはそうそうないと思います。本当にラッキーで、逆に学費をお支払いしたいぐらいです。(笑)

――つらいことやしんどいと思うことはなかったのでしょうか?

陳:APを離れて時間が経っていることもあり、思い出に残っているのはいいことばかりですね。唯一記憶に残っているのは、たまに就業時間が長くなり、体力的にしんどかったことぐらいでしょうか。特にディールの最中は遅くまでオフィスにいることもありました。ただそれも毎日ではないですし、ディールをやっている1、2か月の間に何日かそういうことがあったというぐらいです。

それに、大変だということはそれだけ勉強になるということです。例えば、ディール時の税務ストラクチャーをどう最適化するかというところは、税理士の先生や税務アドバイザーの方と議論する中で、また新しい知識を身につけることができました。

APが先生にアドバイザリー料を支払いアドバイスをもらっているわけですが、あたかもAPが私の学費を払ってくれているようなイメージです。お給料をもらいながらさらに学費も払ってくれるという、非常にお得な環境でした(笑)。

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フィデリティではアジア株を中心としたリサーチアナリストを務める

企業のトップマネジメントと対等の立場で議論。成長の糧

――現在はどのような仕事をされているのでしょうか?

陳:ボストンにあるフィデリティという資産管理会社に勤めています。私の担当はアジア株を中心としたリサーチアナリストです。MBA留学時に2か月ほどインターンとして働かせていただいて、その際にフルタイムのオファーをもらい、翌年入社しました。

ただ、ビジネススクール卒業後にAPに戻るという選択肢もありました。留学前に代表パートナーからも戻ってきてよいという言葉をいただいていましたし、APが嫌で離れたわけでもないので、悩んだのは事実です。

他にも出身国の中国に戻ってビジネスをやることも考えました。色々な方に相談し、いったんアメリカを離れてしまうと、再度アメリカでフルタイムのオファーを得るのは非常に難しいことが分かり、最終的にはフィデリティでのチャレンジを決めました。

アメリカの就労ビザを取得するのはスポンサー探しという点で非常に難しい。働いてみてもし嫌だったらいつでもアジアに戻ることはできますし、とりあえず2年間はやってみようと入社を決めて、もう6年になりますね。

――それだけ続いているということは、今の仕事も陳さんに合っていたのですね。

陳:そうですね、投資先が上場株なのでその点は少し違いますが、多くの部分ではAPの仕事に非常に似ています。私が好きなのは、数多くの企業の社長やCFOとお会いしてお話しできるところです。今担当しているのは約170社で、うち9割ぐらいは日本の企業です。時価総額の高い有名な企業や各産業のリーディングカンパニーなど、様々な会社の経営トップにお会いして議論する日々は刺激的だと心から思います。

現在の経営課題やそれに対する施策、5年後のビジョンといった議論を通して自分自身が成長していることも実感しています。

――APで学んだことが現在の仕事にも活かされているのでしょうか。

陳:もちろん投資の基本的な知識はすべてAPで学んだものです。それともう一つ大きいのは、対人コミュニケーション能力です。APでは若い私でも各企業の役員クラスの方と議論する機会が多くありましたから。トップマネジメントの方から大局的な考え方をお聞きして、ビジョンについて議論する。細かい業務も当然重要ですが、そういった経験を積んでいたことはとても大きかったですね。

自分より経験も立場も上の方と、どうすれば緊張せずに自然と接することができるか。あるいはその方々のレベルにどうやって自分を近づけて、意義のあるディスカッションをおこなうか。そういったスキルや考え方が、4年間のAPでの日々で自然と身についていたんだと思います。あの経験がなければ、一流企業のトップと話すのは緊張していたかもしれません。

――中も外も経験された陳さんから見て、APに合うのはどのような人材だと思いますか?

陳:シニアパートナーがよく言っていましたが、経営の総合格闘技のような仕事です。特にジュニアメンバーにとって、内容は複雑で難しい問題にぶつかることも多くあります。そういった複雑な知識や技能を学ぶことが苦ではない、または楽しめることが重要だと思います。せっかく学校を卒業したのにまた勉強しなくてはいけないのかと感じる人は、本人にとってもつらいでしょうし、会社にとっても良くない。お互い不幸になってしまいますよね。

あとは先ほどお話ししたコミュニケーション能力も重要です。社内だけでなく投資先企業の方々と話す機会も多いので人とうまくコミュニケーションを取れる人の方が向いていると思います。単純そうに聞こえるかもしれませんが、円滑なコミュニケーションで解決できる問題もたくさんあります。コミュニケーションが得意で勉強することが好きな人なら、きっと活躍できるのではないでしょうか。

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コラム作成者
Liiga編集部
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