【難易度別】就職・転職やキャリアアップに役立つ金融の資格おすすめ10選
2022/12/26

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金融資格には様々な種類があり、難易度も必要な学習期間も異なります。就活・転職・キャリアアップなど目的に合わせて、自分にぴったりの資格を見極めましょう。

金融業界で採用要件になる資格

一般に、資格がなくても金融業界に転職することは可能です。

しかし金融業界には、資格がなければ必要な業務を行えない職種があります。また資格そのものは必要なくても、相当する専門知識がなければ仕事にならないというケースもあります。

金融業界で必須要件や歓迎要件となることもある、重要な資格は以下の5つです。

難易度 一般的な学習期間
証券外務員 ★★ 2ヵ月
簿記(日商簿記2級など) ★★★~ 半年~
証券アナリスト(CMA) ★★★★ 1~3年
公認会計士 ★★★★★ 1~3年
税理士 ★★★★★ 2~5年

証券外務員

証券外務員とは、株式や投資信託などリスクがある金融商品を販売する人を指します。そしてこの「証券外務員」になるには、外務員資格が必要だと法律で定められています。そのため金融商品を販売する職種に就く場合、外務員資格は必須の資格です。

証券外務員の資格には一種と二種があり、取り扱える商品が異なります。二種では取り扱える金融商品に限りがあるため、信用取引や先物取引商品を販売する場合は一種が求められます。

受験資格はなく、年齢・学歴・経歴を問わず受験ができます。ただし実際に外務員として業務を行う場合には、試験合格後に、日本証券業協会に登録をする必要があります。

簿記(日商簿記2級など)

貸借対照表や損益計算書など財務諸表を理解し、作成する時に必要なのが簿記の知識です。そのため簿記の知識を証明する資格があると、銀行や証券会社、税理士事務所、企業の経理部門などへの就職・転職に有利です。

簿記に関する資格には「日商簿記」「全経簿記」「全商簿記」の3種類がありますが、中でも認知度が高いのが「日商簿記」です。

日商簿記の3級は「業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき『必須の基本知識』」とされているので、金融業界への転職に活かしたいなら2級以上の取得を目指しましょう。

証券アナリスト(CMA)

証券アナリストは「投資助言や投資管理サービスを提供するプロフェッショナル」であり、正式名称は「日本証券アナリスト協会認定アナリスト」です。CMAと省略されることもあります。

日本で金融系の専門職としてキャリアアップを目指す時には、必須となることが多い資格です。転職時にも、特にアナリスト、ストラテジスト、ファンドマネージャーなどの求人で必須要件や歓迎要件とされることが多いです。

証券アナリストの資格を取得するには、講座の受講と1次・2次試験の合格に加え、3年以上の実務経験が必要です。

公認会計士

公認会計士とは監査と会計の専門家であり、監査業務を行うのに必要な国家資格です。そのため監査法人の中には、公認会計士の資格を必須要件にしているところも多いです。

またその他にも、財務・会計系のコンサルティングファーム、株式公開の支援企業、企業の財務・経理などへの転職にも活かせる資格です。

公認会計士には年齢や学歴の要件がないため、誰でも受験することができます。ただし公認会計士としての仕事をするには、二種類の試験に合格することに加えて、実務補習の受講と2年以上の実務経験が必要です。

試験の合格率は毎年10%前後と難度が高いですが、弁護士・医師と並ぶ三大国家資格の一つで、高収入や安定性に繋がりやすい資格です。

税理士

税に関する書類を作成したり、相談に応じたりする税理士。国家資格の一つで、税務署とのやり取りを代行する「税務代理」、提出書類を代わりに作成する「税務書類の作成」、そして税に関する相談にのる「税務相談」の3つを行うには、税理士の資格が必要です。

そのため税理士事務所の求人では必須要件とされることが多く、その他にも金融業界、コンサルティング業界でも歓迎される資格です。

税理士試験は受験資格が複雑で、「大学、短大または高等専門学校を卒業した者で、社会科学に属する科目を1科目履修した者」「公認会計士試験の短答式試験に合格した者」「日商簿記検定1級合格者」「法人または事業を行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者」など様々な選択肢があります。

税理士試験に合格した後は、2年以上の実務経験を積むことで税理士となることができます。

金融業界の転職・キャリアアップに有利な資格

金融業界の求人票に必須要件・歓迎要件と書かれることは少ないものの、以下のような資格も転職で有利に働くことが多いです。

難易度 一般的な学習期間
ファイナンシャルプランナー(FP) ★★ 2ヶ月~1年
英語資格(TOEIC700点以上など) ★★★~ 半年~
中小企業診断士 ★★★★ 半年~1年
MBA(経営学修士) ★★★★ 2~3年
アクチュアリー ★★★★★ 2~8年

ファイナンシャルプランナー(FP)

金融・不動産・税金など、お金に関して幅広い知識を持っていることを示すのがファイナンシャルプランナーの資格です。

主な資格として、世界25か国で認められているCFP、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士、そして日本ファイナンシャルプランナー協会が認定している国内資格AFPがあります。

個人向けに金融商品を販売する仕事では、顧客の安心感に繋がる資格です。また未経験から金融業界にチャレンジする際には、「自分なりに勉強してきた」と意欲をアピールするのにも使えるでしょう。

英語資格(TOEIC700点以上など)

金融業界に限った話ではありませんが、「英語が不自由なく使える」というのは転職やキャリアアップ時のアピール材料になります。TOEICであれば700点、TOEFL iBTであれば70点ほどあれば、「英語ができる」とアピールできるでしょう。

一部企業では、一定以上のTOEICの点数を取得することを昇進条件の一つにしています。また外資系企業だけでなく、最近では日系企業でも社内公用語を英語とするところもあり、業務で英語を求められる機会は今後も増えるでしょう。

中小企業診断士

中小企業診断士とは、中小企業経営に関する知識を備えていることを示す国家資格です。会計・財務だけでなく戦略も理解できることの証明になるため、法人向けの融資や保険販売を行う時に役立ちます。

年齢や学歴などの受験資格はないため、誰でもチャレンジできる資格です。ただし資格取得のためには、一次・二次試験に合格した上で、実務補習を受ける必要があります。

戦略・財務・会計・マーケティング・物流・経済学・IT・法務など幅広い知識が求められるためハードルはやや高いですが、金融業界への転職やキャリアアップだけでなく、独立やコンサルティングファームへの転職にも活かせる資格です。

MBA(経営学修士)

MBAとはMaster of Business Administrationの略で、日本語では「経営学修士号」と呼ばれます。経営学の大学院修士課程を修了することで授与され、取得後は最終学歴も「大学院卒」になります。

MBAでは経営管理に関する理論を体系的に学ぶため、「経営学に関する基礎知識を持っている」という証明になります。そのため法人向けの金融営業やコンサルティングへの転職では有利に働くでしょう。

MBAは大学院修士課程の一種なので、四年制大学の卒業が一般的な出願要件です。最近では夜間や週末のみの通学で修了できるコースもあるため、働きながらMBAを取得することもできます。

アクチュアリー

アクチュアリーは、日本語では「保険数理士」と呼ばれる仕事で、金融商品の数理的な設計をする仕事です。例えば保険の料率支払い保険金額を算出するなど、商品設計を数学的な側面から支えます。

資格がなくてもアクチュアリーの業務はできますが、日本アクチュアリー会の「正会員」となることでその能力を証明することができます。

一次・二次試験に合格した上で、研修を受講することでアクチュアリー会の「正会員」になることができます。

「理系最難関の資格」ともいわれ、ハードルは高いですが、保険会社や信託銀行だけでなく、コンサルティングファームや監査法人でも重宝される資格です。

資格選びのQ&A

「どの資格を取得すれば良いか分からない」という人のために、ケースに合わせたおすすめの資格をご紹介します。

Q. 新卒や第二新卒の採用でオススメの金融資格は?

業務経験がなくても取得でき、かつ難易度もそれほど高くない資格という意味では、ファイナンシャルプランナーや日商簿記3級がおすすめです。ファイナンシャルプランナーは金融や資産管理への関心を示すのにぴったりですし、日商簿記3級も「企業の財務や経理を理解できるようになりたかった」とアピールする材料になるでしょう。

Q. 金融業界以外への転職でも活かせる資格は?

金融業界以外も視野に入れているのであれば、中小企業診断士やMBAはオススメの資格です。コンサルティングファームなどへの転職にも繋がります。

また言うまでもないことですが、英語力があれば様々な業界への転職に繋がります。

Q. 今の仕事をしながら取得できる資格はある?

簿記やファイナンシャルプランナーは、仕事や学問の傍らでも取得しやすい資格です。証券外務員の資格も取得しやすいですが、役に立つ機会が少ないので、証券会社などへの転職を考えているのでなければあまりおすすめしません。

またMBAも、最近では夜間や通信制のコースが増えているため、仕事をしながらでも取得できます。

金融系の企業にも様々な種類が!

一口に金融系といっても、大きく「銀行業界」「証券業界」「保険業界」の3つの業界に分かれます。また上記以外にも、金融系の知識が活かせる仕事の一例として、以下のような企業もあります。

  • 監査法人
  • M&Aアドバイザリー
  • 投資銀行(IBD)
  • ファンド
  • 財務・会計のコンサルティング

それぞれ求める知識・経験、業務内容、社風、待遇、今後のキャリアなども大きく異なるので、自分に合った企業を選ぶのが重要です。業界選びに迷ったら、転職エージェントなども積極的に活用してみましょう。

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コラム作成者
Liiga編集部
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