【例文・フォーマット付き】よくあるNGを踏まえた正しい志望動機書・志望理由の書き方 
2022/12/02

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志望動機書とは、その企業を志望した動機についてまとめた書類です。この記事では、第二新卒や中途採用者向けに「志望動機書とは何か」といった基本、作成時の決まり事とポイントや注意点をご紹介します。ワード形式のフォーマットも用意しているので、ダウンロードして活用してください。



志望動機書とは?

志望動機書とは、その企業を志望する理由を詳しくまとめたものです。

志望動機を記載するときは、履歴書の志望動機欄を利用するのが一般的です。しかし一部の企業では、履歴書とは別に志望動機が分かる書類を求められることがあります。志望者の「志望度合い」や「応募した背景」をより深く知ることが目的です。

志望動機書は第二新卒や中途採用の選考の際に使用されることが多く、新卒採用で求められることは稀です。

自己推薦文などとは書類の役割が違うため、注意して書き分けるようにしましょう。

志望動機書が重視される理由


職務経歴書や履歴書は事実を中心に書くため、「人となり」や「入社にかける熱意」が読み取りにくいです。その点を補うのが、志望動機書です。

「最近の就活・転職ではスキルや経験が重視される」と言われることも多いですが、日本では依然、やる気やコミュニケーション能力が重視されています。 例えば厚生労働省が平成30年に実施した「若年者雇用実態調査」によれば、若年正社員の採用選考で重視されたのは「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」「コミュニケーション能力」「マナー・社会常識」でした。

description 出展:厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況」

このように、新卒はもちろんのこと、中途採用においてもやる気やコミュニケーション能力は重視されています。

自己PRや職務経歴書と比べると、志望動機書は軽視されがちです。しかし企業は「応募者のやる気や社会人としてのマナーを判断する材料」と見なしていることを押さえておきましょう。

特に、志望動機書の提出を求める企業では、その人の動機や考えの一貫性、人となりの部分を重視していると考えておく必要があります。

志望動機書のフォーマット(Wordテンプレ付き)

志望動機書に決まったフォーマットはありません。そのため、応募企業から分量や枚数の指定がない場合、自由なフォーマットで構いません。

ただしビジネス文書の基本や読む人の負担も考え、以下を意識して作成すると良いでしょう。

  • タイトル、作成者の名前、作成した年月日を分かりやすく記載
  • できるだけA4の紙1枚で完結させる
  • 余白が目立ちすぎないように、用紙の8割程度を目安に埋める
  • 手書きでも構わないが、後から修正しやすいパソコンで作成するのが一般的
  • メールで送付する時には、第三者からの盗み見や改ざんを防止するために、WordかExcelで作成したものをPDFに変換し、パスワードを付けて提出するのが良いでしょう。 郵送での提出が必要な場合は、他の提出書類と大きさを合わせるためにA4用紙で印刷するのがおすすめです。

    ダウンロードして使える志望動機書・志望理由のテンプレート(Word形式)


    Liigaでは、今すぐ使えるWord形式をはじめとしたテンプレートを用意しました。志望動機書が必要な方は、ぜひご活用ください。

    志望動機書テンプレート(Word形式ほか)

    作成時のポイントと例文

    志望動機書を作成する時には、以下の2つの内容を含むようにしましょう。

  • 自分ならではの動機
  • その企業でなくてはならない理由
  • 「自分ならではの動機」ではない場合、つまり「ありきたりな内容」な場合、他の応募者と内容が被ってしまい、それだけで選考通過の可能性が下がってしまいます。 自分らしさを出すためには、自分の過去の経験をベースに書くと良いでしょう。過去の業務経験から自分の得意とすることや興味関心のあることを抜き出し、今後携わりたい業務を明確にしましょう。

    また「その企業でなくてはならない理由」も重要です。 採用において企業が最も懸念しているのは、せっかく採用した人材がすぐに辞めてしまうことです。特に第二新卒や中途採用の場合、その懸念は大きくなりがちなので、書類選考の段階で疑念を払拭しておくようにしましょう。 具体的には、前職を退職した理由と今後挑戦したいことに一貫性を持たせるのがおすすめです。 例えば「前職での経験をもとに、〇〇という業務に携わりたいと考えている。前職では△△という制約があり不可能だったが、貴社ではその理想を実現できると考えた」と一貫性を出すことで、高い入社意欲と貢献意欲があることを印象付けることができます。

    なお、挑戦したいことにはある程度の幅を持たせると良いでしょう。企業はそのときの経営判断で力を入れる分野を変えることも珍しくありません。あまりに特定の業務だけを希望していると、「その業務以外には興味がないのではないか?」と思われ、扱いづらい印象を持たれる可能性もあります。

    第二新卒の場合のポイントと例文


    第二新卒の場合、新卒と同じように成長を期待しての採用となります。中途採用と比べると、社会人経験が短いため、学生時代の経験を交えることも許容されていますが、前職を短期間で辞めている理由についてはきちんと説明する必要があります。

    これからどのように成長したいのかを明確にし、「うちの会社で長く貢献してもらえそう」という印象を与えるのが大切です。

    例えばA4サイズでしっかりと記載する場合は、以下を一つの参考例にしてみてください。

    志望理由書

    2020年1月1日 苗字 名前

    この度は貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。 今回、貴社の求人に応募した理由は、以下の二点です。

    一点目は消費者や顧客との距離の近さです。 前職は中間卸売業だったため、消費者と直接関わることができませんでした。また従事していたのも営業事務で、自社の顧客とも直接やり取りをすることができない業務でした。そのため「消費者や顧客が本当に求めているものは何なのか」を理解しきれないと感じていました。 その点、貴社は消費者に商品やサービスを直接提供できる会社であるという点に魅力を感じています。特に私が応募した営業職は、顧客とやり取りをする機会も多いと聞いています。 私は学生時代、「△△△△△△△△」という団体を通じて、ボランティア活動に従事していました。その時に、誰かの喜ぶ姿が見られることが、これほどまでに「やりがい」や「達成感」に通じるのだと痛感しました。貴社のような業務であれば、前職よりモチベーション高く業務に臨めると確信しています。

    二点目は自己成長の期待値の高さです。 貴社では、「○○○○○○○○」のスローガンの元に、社員の挑戦を促す社風があると聞いています。貴社で働く知人の話を聞いても、またサイトに掲載されているインタビューを拝見しても、「○○○○○○○○」が単なる掛け声ではないと感じています。 若いうちから裁量権を持たせてくださる貴社であれば、多くのことを考えて実行する機会が得られるのではないかと考えています。消費者に価値を提供しながら、自分も成長し、会社にも利益をもたらす。会社に利益をもたらすことによって、より大きなチャレンジが可能になり、それが消費者の新たな価値に繋がる。そうした好循環を生み出せる環境に惹かれています。

    以上の二点が、私が貴社を志望する理由です。 未経験の業種なので、知識についてはこれから学ぶべきことが多くあると考えています。入社後は積極的に学び、また消費者としての視点も生かして、貴社のビジネスに貢献したいと考えています。何卒、よろしくお願いします。

    以上


    中途採用の場合のポイントと例文


    中途採用の場合は、企業としては「自社にはない経験を持った人材を外部から迎え入れたい」と考えています。そのため志望動機書では、「これまでの業務経験がどう生きるのか」「新しい職場でどのように貢献できるのか」が伝わるようにしましょう。

    求められることは年齢やポジションによっても変わってきます。30代後半以降の場合は、「成長したい」といった理由よりは、「経験を生かして実現したいことがある」といった理由の方が望ましいでしょう。

    履歴書の「志望理由」の欄に書く場合、およびA4用紙半分くらいで作成する場合には、以下を一つの参考例にしてください。

    志望理由書

    2020年1月1日 苗字 名前

    この度は貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。 今回、貴社の求人に応募した理由は、以下の二点です。

    一点目は業務の先進性です。貴社の〇〇という業務は、貴社以外に市場で主要なプレイヤーがおらず、非常に先進性が高いです。そのようなフィールドに私も参画し、技術発展、市場拡大の一端を担うことに魅力を感じています。

    二点目は私の△△という経験が活かせる点です。私は前職の☆☆部門において△△という業務を5年間担っておりました。貴社においても△△というスキルは□□の領域で◇◇をおこなう際に必要不可欠となってくると思います。私自身、貴社には□□のポジションで参画し、このスキルを役立てながらより一層のスキルアップに励みたく思います。

    以上の二点が、私が貴社を志望する理由です。これまでの経験を、貴社という新しい環境・ビジネスドメインで活かし、新たな価値創造につなげたいと考えております。何卒、よろしくお願いします。

    以上


    ビジネス文章としての読みやすさにも配慮して!

    志望動機書・志望理由欄の「内容」が重要なのはもちろんですが、分量や言葉遣いといった「読みやすさ」も重要です。特に以下を意識して作成するようにしましょう。

    ・読み手の負担を考え、最大でもA4で1枚、1,000〜1,200文字程度 ・先に結論(=志望理由)を、その後で根拠となるエピソードを書く ・接続詞を意識し、文章が論理的に繋がるようにする ・社会人にふさわしい、正しい「書き言葉」を使う

    志望動機は、長ければ良いというものではありません。採用担当者が負担なく読めるようにするためにも、最大でA4で1枚分、1,000〜1,200文字を目安としましょう。 そうすると、志望理由や根拠となるエピソードの数も自ずと限られてきます。それぞれの内容が薄くならないようにするためにも、志望理由は3つ以下に納めるのがお勧めです。

    文章を書く時には、先に結論を述べ、その後で根拠を添えるようにしましょう。 個性を出すために結論をインパクトのある言葉で書くという方法もありますが、あまりにひねった言葉ではかえって内容が伝わりにくくなってしまいます。

    インパクトよりも重視すべきは、論理性です。そのためにも「しかし」「だから」「なぜなら」といった接続詞を意識し、文章がきちんと繋がっていることを確認しましょう。

    最後に、正しい「書き言葉」を使うことも忘れないようにしましょう。例えば、話し言葉である「ですから」「だけど」「たら/れば」などは、「そのため」「しかし」「であれば」と言い換えてください。 また一部の業界や世代でしか使わない言葉は、極力避けることをお勧めします。

    こうしたポイントを意識していても、自分の癖にはなかなか気付けないことも多いです。貴重なチャンスを確実なものにするためには、提出前に、転職エージェントに内容を添削してもらうのも一つの選択肢です。 Liigaでは、実際の利用者の口コミを見ながら自分に合った転職エージェントを探すことができます。利用料は無料なので、利用を検討してみてください。

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    記入内容のNG例

    ここでは志望動機書・志望理由を書く際によくあるNG例を解説します。いずれの点も文章を書き始める前に内容の整理をしておくことで防げるので、あらかじめポイントを押さえておきましょう。

    NG例① 過去の業務経験が反映されていない


    志望動機のよくあるNGは何となく理念に共感したというものです。 企業研究や業界研究をしていく過程で自分と企業の価値観がマッチしていることは大切ですが、過去の経験との結びつきが弱い動機は説得力に欠けてしまいます。

    特に中途採用では「これまでの経験をどう活かすつもりなのか」「自社にどう貢献してくれるのか」が重視されます。そのため、過去の業務経験をベースに動機を書くようにしましょう。

    NG例② 待遇が主な動機になっている


    待遇を主な動機に挙げるのも、お勧めしません。 給料や福利厚生といった待遇は、企業の業績次第でも変化するものです。そのため待遇を理由としてしまうと「業績が悪くなったらこの人は辞めてしまうのではないか?」「待遇が良い、別の会社からスカウトがあれば転職してしまうのではないか?」という印象を持たれてしまいます。

    もちろん、子育てなどの理由で「この条件だけは妥協できない」「こういう制度がある会社を選んだ」と伝えるのは問題ありません。しかし、それだけが理由ととられないように注意しましょう。

    NG例③ 退職理由がネガティブである


    転職理由・退職理由がネガティブなのも、悪い印象を与えてしまいます。 転職を考えている人の多くが、待遇や人間関係に何らかの不満を抱いています。しかし不満を退職理由として挙げてしまうと、「今回の職場でも同じ理由で辞めてしまうのではないか?」という疑念を持たれます。

    「前職に問題があった」という書き方ではなく、「新しいことに挑戦したい」といったポジティブな理由を挙げるようにしましょう。

    コンサル志望の場合は「企業」を志望理由にするのも要注意!

    コンサルティング会社を志望している場合、「企業」軸で志望理由を書かないようにしましょう。 なぜならコンサルティングファームは、時に「それぞれの部門が別々の会社」と言われるほど、部門ごとにカルチャーが異なることがあるからです。

    志望動機書では、その会社を選んだ理由が文書の中核となるように構成していくのが基本です。しかしコンサル業界の場合は、その部門を選んだ理由が中心となるようにしましょう。

    志望動機に関するよくある質問

    ここでは志望動機に関するよくある質問を解説します。

    どの企業に対しても第一志望と言うべき?


    選考では基本的に志望度が高くないととられる回答はNGです。

    ただし「貴社ともう一社で迷っている」など、別の企業の選考にも参加していることを伝える程度であれば問題ありません。第二志望や第三志望と回答してしまうと「他社が本命である」と受け取られてしまうので、できるだけ別の表現にするようにしましょう。

    面接の際に気を付けた方がいいことは?


    一般的に、面接の流れや質問にはパターンがあります。 中でも「志望理由」や「転職・退職理由」は面接で聞かれる定番質問ですから、志望動機書・志望理由欄記載の内容と一貫性のある回答ができるよう、事前にしっかりと準備しておきましょう。

    またリモート面接の場合は、顔映りにも注意する必要があります。 部屋の照明の位置やノートパソコンの位置によっては、顔が暗く見えてしまったり、「上からの目線」に見えてしまったりというケースもあります。パソコンをできるだけ明るい場所に移動させたり、別途、パソコン用のカメラの購入を検討してみるのも良いでしょう。

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    まとめ

    ここまでご紹介した通り、志望動機書は、求職者の「人となり」や「入社にかける熱意」を伝える重要な書類です。フォーマットにこだわる必要はありませんが、自分の過去の経験と紐づけて「自分ならではの動機」と「その企業でなくてはならない理由」の両方をアピールしてください。

    貴重なチャンスを掴むためには、専門家に添削してもらうのもお勧めです。業界に精通した転職エージェントのアドバイスを受けるのも良いでしょう。志望動機書の書き方だけでなく、履歴書等のレビュー、面接のシミュレーションに協力してくれるエージェントもいます。

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