大手デベロッパー11社一覧(売上高、平均年収、勤続年数、特徴)
2023/09/25
#デベロッパー

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大手デベロッパーにも「大手6社」や「マンション大手7社」があります。ここでは売上高ランキング上位のデベロッパーを中心に、平均年収や特徴をご紹介しています。デベロッパーの将来性や学歴フィルターの有無についても解説していますので、参考にしてください。


デベロッパーとは

デベロッパーとは、土地や街の開発を行う事業者のことです。 オフィスビルや商業ビル、アウトレット、マンション、住宅地などの開発をし、時には街全体の開発・再開発にも携わります。 デベロッパーの中にも多種多様な不動産の開発を行う「総合デベロッパー」と、マンションなど特定の不動産に特化した「専門デベロッパー」があります。

高年収・好待遇のホワイト企業も多い


デベロッパーは高収入で、勤務時間も良識的な企業が多いといわれます。特に大手では平均年収が1,000万円を超えることも多く、就職・転職先として人気があります。
大手総合デベロッパー勤務 木津雅紀氏(仮名) (環境は)とてつもなくホワイトだと思います。理不尽なことはなく、風通しが非常にいいです。ただ、部署や一緒に働く人、プロジェクトの波によって忙しくなることもあります。
(中略)浪人や留年をせずに新卒で入っていたら30歳手前となる、7〜8年目には年収1,000万円を超えるという感じです。(自社では)8年目になれば確実に1,000万円のラインは超えますね。
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売上高ランキングTOP10+αの大手一覧

ここでは、売上高ランキングTOP10のデベロッパーにマンション大手の大京を加えた11社について、平均年収や企業の特徴をご紹介します。 なお以下の表では、「大手6社」や「マンション大手7社」といわれるデベロッパーもひと目で分かるようにしました。併せて参考にしてください。

順位 社名 売上高(※1) 平均年収(※2) 大手6社 マンション大手7社
 1  三井不動産  2兆1,008億7,000万円  1,273万8,000円  〇  〇
 2  飯田グループホールディングス  1兆3,869億9,100万円  782万8,000円    
 3  三菱地所  1兆3,494億8,900万円  1,264万7,559円  〇  〇
 4  東急不動産ホールディングス  9,890億4,900万円  1,057万9,000円  〇  〇
 5  オープンハウスグループ(※3)  9,526億8,600万円  697万8,364円    
 6  住友不動産  9,394億3,000万円  667万4,625円  〇  〇
 7  野村不動産ホールディングス  6,450億4,900万円  1,017万7,382円  〇  〇
 8  ヒューリック(※4)  5,234億2,400万円  1,904万2,394円    
 9  東京建物(※5)   3,499億4,000万円  1,009万6,000円    〇
 10  森ビル  2,453億600万円  878万4,000円  〇  
 参考  大京  422億500万円  742万3,908円(※6)    〇

※1,2 別途注釈のあるものを除き、2021年度有価証券報告書の情報をもとに記載 ※3 9月決算のため、2022年9月末時点の情報 ※4,5 1月決算のため、2022年12月末時点の情報 ※6  上場廃止により2017年度の有価証券報告書の情報

1位 三井不動産

description デベロッパー最大手の三井不動産は、オフィスビルや商業施設、マンション、ホテルなどをバランスよく手掛けています。主要開発エリアは日本橋で、東京ミッドタウンやコレド室町などが有名です。商業施設では三井アウトレットパークやららぽーとを展開しています。 海外への事業進出や、柏の葉スマートシティなど先端都市の開発にも積極的です。

三井不動産株式会社 海外事業本部 中田敏文氏
実はこの春に海外事業本部に異動しまして、これからオーストラリアのシドニーに赴任する予定です。現地のオフィスビルや住宅の開発を行うために、すでに立ち上がっている現地法人を軌道に乗せるのが次のミッションです。また新しい挑戦ですので、まずはそれを頑張りたいです。
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三井不動産 基本情報 東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号
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2位 飯田グループホールディングス

description 飯田グループホールディングスは、2013年に不動産会社6社が経営統合して設立したデベロッパーです。もとの6社はそれぞれに技術力があり、着実に実績を積み上げています。マンション分譲事業や戸建て事業を中心に行う他、グループ企業に建設会社も含んでいるので、請負工事も行います。
なお同社の平均勤続年数が短いのは、2013年創立で企業としての年数が浅いためです。
飯田グループホールディングス 基本情報 東京都武蔵野市西久保一丁目2番11号

3位 三菱地所

description 三菱地所はオフィスビル事業を中心に据えつつ、マンションやリゾート施設の開発なども行っています。主要開発エリアは丸の内と大手町で、丸ビルなどが有名です。
また横浜でもランドマークタワーやみなとみらい21を手掛けています。 海外進出や新事業の創出、スタートアップ投資など様々な挑戦に取り組んでいるのも特徴です。
三菱地所株式会社 新事業創造部 統括 宮阪恭一氏
20年後、100年後に社会を担う人が住みよい街とはどういう街なのか。日本だけでなく海外の人にとっても魅力的な街とはどういう街なのか。絶えず新しい価値観を取り入れながら、アンテナを高くはって、将来を見据えていかなければなりません。
そうしたまちづくりはデベロッパーだけでできるものではなく、また、一度建物を整備したら終わり、というものでもありません。だからこそ三菱地所はオープンイノベーションを推進し、エコシステムの形成に注力しているとも言えます。
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三菱地所 基本情報 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビル
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4位 東急不動産ホールディングス

description 東急不動産ホールディングスは渋谷近辺を主要開発エリアとし、現在も渋谷で再開発プロジェクトを進行しています。東急グループの一員として、東急電鉄などと協力して開発を進められるのが強みです。東急プラザや東急百貨店などの商業施設を手掛ける他、都市事業、住宅事業、海外事業など幅広い開発を行っています。
東急不動産ホールディングス 基本情報 東急不動産ホールディングス 基本情報 東京都渋谷区道玄坂1-21-1 渋谷ソラスタ

5位 オープンハウスグループ

description オープンハウスグループは「東京に、家を持とう。」をキャッチコピーに、首都圏の新築戸建て分譲事業を手掛けてきました。都市部の限られた土地を購入し、格安の分譲住宅を販売しています。現在は首都圏からさらにエリアを拡大し、急成長を遂げているデベロッパーです。 現在も事業の中心は住宅関連ですが、新たに海外事業などにも取り組んでいます。
オープンハウスグループ 基本情報 東京都千代田区丸の内二丁目7番2号 JPタワー20F(総合受付)・21F

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6位 住友不動産

description 住友不動産は、東京都心部のオフィスビルの賃貸事業や、分譲マンション事業を中心に手掛けています。都内のオフィスビル保有棟数・保有面積はデベロッパーの中で1位、マンションの供給戸数もトップクラスです。 また大手の中でも営業利益率が非常に高いデベロッパーです。 主要開発エリアは新宿で、六本木などの再開発も行っています。
住友不動産 基本情報 東京都新宿区西新宿二丁目4番1号(新宿NSビル)

7位 野村不動産ホールディングス

description 野村不動産ホールディングスはマンション分譲を中心に手掛けているデベロッパーで、特に「プラウド」シリーズが有名です。また用地取得から建設、販売・管理まで一貫して行っているのも特徴と言えます。 オフィスビル事業では、中規模サイズで大規模オフィスと同等の機能性や快適性を追求した「PMO(Premium Midsize Office)」を提供しています。
野村不動産ホールディングス 基本情報 新宿区西新宿一丁目26番2号

8位 ヒューリック

description オフィスビルや商業ビルの不動産賃貸事業が主力のヒューリック。渋谷パルコ・ヒューリックビルなど好立地物件を多く保有しており、安定した賃貸収入を得ています。
平均勤続年数が短い割に平均年収が高いのは、若手社員は出向になることが多く、年収の上がるベテランになってから本社に復帰することが多いためと推測されます。
ヒューリック 基本情報 東京都中央区日本橋大伝馬町7番3号

9位 東京建物

description 東京建物は1896年創業の財閥系デベロッパーで、不動産会社の中でも非常に古い歴史を有しています。信頼性重視の姿勢を貫き、住む人や地域の自然環境保護にも配慮した開発を行っています。
東京建物が開発するオフィスビルやマンションの8割は都心部にあり、東京に特化したデベロッパーです。マンション分譲事業では「ブリリア」シリーズなどを展開しています。
東京建物 基本情報 東京都中央区八重洲一丁目4番16号 東京建物八重洲ビル

10位 森ビル

description 売上高ランキングでは10位ながらも、「大手6社」に数えられる森ビル。六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズなど「ヒルズ」の名称がつく複合都市の開発を得意としています。そのため収益の約6割は、オフィスビルなどの賃貸事業によるものです。一方で賃貸事業以外にもホテルの開発や芸術・文化施設の運営も行っており、事業内容は多岐にわたります。
東森ビル 基本情報 東京都港区六本木6丁目10番1号 六本木ヒルズ森タワー

番外 大京


   売上高       422億500万円   
   従業員数       764名   
   平均年齢       43.6歳   
   平均勤続年数       18.1年   
   平均年収       742万3,908円   

※売上高は2022年度の情報、他は2017年有価証券報告書より

大京は売上高TOP10にランクインしませんが、「ライオンズマンション」で有名なマンションデベロッパーです。マンションの分譲と管理においては、日本でもトップクラスの実績を有しています。三井不動産や三菱地所など大手デベロッパーとともに、「大手マンションデベロッパー7社」の一つに数えられています。
大京 基本情報 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-24-13 千駄ヶ谷第21大京ビル

「大手6社」「マンション大手7社」とは?


大手6社は、「総合大手6社」とも言われるデベロッパーです。実際には事業内容のバランスに多少の偏りがありますが、どこも多種多様な開発に取り組んでいます。
 【大手6社】
  • 三井不動産
  • 三菱地所
  • 東急不動産ホールディングス
  • 住友不動産
  • 野村不動産ホールディングス
  • 森ビル

  • マンション大手7社は、必ずしもマンション専門のデベロッパーではありません。しかし、それぞれ有名ブランドのマンションを展開しています。またこの7社は、新築マンションの販売ポータルサイト「メジャー7」を共同で運営しています。

     【マンション大手7社】
  • 三井不動産(パークホームズ)
  • 三菱地所(ザ・パークハウス)
  • 東急不動産ホールディングス(ブランズ)
  • 住友不動産(シティハウス)
  • 野村不動産ホールディングス(プラウド)
  • 東京建物(ブリリア)
  • 大京(ライオンズマンション)

  • デベロッパーの将来性は?

    description 日本は人口が減少しており、今後は住宅需要の減少が見込まれます。さらにコロナ禍でテレワークが広がり、オフィス需要も減少。先行きは厳しいという見方があります。

    一方で大手を中心に、海外進出を進めるなどの動きも見られます。またIT技術を導入した「スマートシティ」の開発や、今ある街の再開発に注力しているデベロッパーも多いです。そのため一概に「将来性がない」とも言えません。 例えば三菱地所は、ビジネスモデル革新に向けて2014年に「新事業創造部」を新設しています。

    三菱地所株式会社 新事業創造部 統括 宮阪恭一氏

    すでに、トヨタ自動車が実験都市を開発するプロジェクトを発表したり、Googleの関連会社がトロントにスマートシティを開発するビジョンを提案したりと、デベロッパー以外の企業がまちづくりに参入してきています。私たちはこういった状況に危機感を感じています。

    (中略)ドラッカーは「変化はコントロールできない。できるのは変化の先頭に立つことだけである」と言っていますが、まさにその通りだと思っています。変化の先頭に立って想像力を働かせ、将来どういうあり方が求められるのかを考えてまちづくりをしていくのが、我々デベロッパーのミッションだと考えています。
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    デベロッパーに転職するには?

    デベロッパーは新人採用が中心で、離職率も低いです。そのため求人数は多くありません。 特に大手デベロッパーは転職難易度が高く、学歴フィルターや学閥フィルターがあるともいわれます。実際に、早稲田・慶応や国立大学の卒業生が多いデベロッパーもあります。

    ただし最近では、新規事業の展開のために中途採用を増やす傾向が強くなっています。例えば三菱地所では総合職、業務職、DX・IT/専任職の3種類でキャリア採用を行っています。不動産関係の資格保有者や語学が堪能な人、またITスキルを有する人などは歓迎されやすいです。

    大手総合デベロッパー勤務 木津雅紀氏(仮名)

    (転職してくる人は)新卒と同じで、本当に色々な人がいますよ。外資系コンサルファームから来た人、外資系投資銀行にいた人、同業他社から来た人もいます。 (中略)新卒も以前の20〜30人から50人に増員していますし、中途採用枠もかなり増やしている印象です。 インタビュー詳細はこちら


    以下の記事では、デベロッパーへの転職難易度と中途採用の傾向、求められる人材などについて解説しています。 【関連記事】デベロッパーへの転職難易度と中途採用の傾向|求められる人材、資格は?

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