日系・外資・大手 コンサルティングファーム一覧と仕事内容・適性
2022/10/21
#外資系コンサルファーム研究
#コンサル転職事情

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コンサルティングファームにはそれぞれの得意領域があり、扱う案件や社風が各ファームで異なります。ここでは、日系・外資・大手の主要ファームの特徴を解説し、コンサルの仕事内容や向いている人の特徴についてもまとめます。



コンサルティングファームとは

コンサルティングファームとは、クライアント企業が抱える課題を特定し、解決に導くことを専門とする会社です。 「専門家に意見を聞く」「医師に診断してもらう」という意味の「Consult」と、ビジネス用語で「会社」を意味する「Firm」が由来となり、このように呼ばれています。 コンサルティングファームが向き合う「クライアント企業の課題」は多岐にわたり、以下のような領域に分けることができます。
  • 経営戦略(事業戦略の立案、新規事業の立案と立ち上げ支援)
  • IT戦略・ITマネジメント(システム導入、DX推進など)
  • 人事(人材育成支援、人事制度設計、組織改革推進など)
  • 財務アドバイザリー(M&A戦略や財務戦略の立案)
  • 業務プロセス改善・効率化

コンサルティングファームの中には、領域を問わず企業のあらゆる課題に対処する「総合コンサルティングファーム」もあります。しかし多くのファームには得意領域があり、その領域に関わる案件を中心に扱うことが一般的です。

クライアント企業から依頼があると、コンサルティングファームは企業の課題に合わせて必要な人材をアサインし、課題解決に向けた実施事項やスケジュールを決めていきます。

コンサルティングというと「戦略や方針の報告書を納品するまでが仕事」というイメージを持たれることが多いですが、最近ではクライアント企業の社員と一体になって施策の実施まで支援するケースも多いです。

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Q&A コンサルティングファームの年収はどれくらい?

description コンサルティングファームの年収は、ポジションによって大きな差があります。 例えば外資系コンサルティングファームの場合、入社直後のアナリストは年収600〜800万円、コンサルタントは800〜1500万円、マネージャーは2000〜5000万円、パートナーは5000万円以上といわれており、パートナーの中には年収が1億円を超える人もいます。

Q&A コンサルティングファームに入るなら新卒・中途どっち?未経験でも大丈夫?

コンサルティングファームの多くは、新卒採用を実施しています。しかし中途採用にも熱心であることが多く、未経験者を積極的に採用しているファームも珍しくありません。

特に若い求職者の場合、コンサルティング分野での経験はそれほど重視されません。書類や面接で重視されるのは、論理性や思考力です。またチームメンバーやクライアント企業の社員と協働する機会も多いため、コミュニケーション能力も重要です。 この他にも、「過去に事業会社で働いており、その業界の動向やステークホルダーに詳しい」といったことが評価される場合もあります。

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主要なコンサルティングファーム一覧

先述の通り、多くのコンサルティングファームにはそれぞれ得意領域があります。企業の課題解決のためには高い専門性が求められるため、得意領域を大きく外れるようなコンサルティングは行わないというファームも多いです。 そのためコンサルティングファームへの就職・転職を考える時には、ファームごとの得意領域や専門性を把握することがとても重要です。

ここからは、領域ごとに分けた主要なコンサルティングファームを紹介します。

戦略系コンサルティングファーム

戦略系コンサルティングファームは、経営層を相手に経営戦略、新規事業戦略、M&A戦略などの課題に取り組みます。

【戦略系コンサルティングファームの例】
  • マッキンゼー・アンド・カンパニー
  • ボストン コンサルティング グループ
  • ベイン・アンド・カンパニー
  • A.T. カーニー
  • ローランドベルガー
  • ドリームインキュベータ

戦略系コンサルティングファームには、ネームバリューや歴史のある外資系ファームが多いです。例えば上記の一覧の中では、ドリームインキュベータのみが日系企業で、他のファームは全てヨーロッパ・アメリカに本社があります。

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総合系コンサルティングファーム

総合系コンサルティングファームは、戦略立案に始まり、業務改善、システム導入、アウトソーシングなど幅広い支援をしていきます。大規模プロジェクトが多く、グローバルオフィスや他の関連会社とともにプロジェクトを進めることも多いのが特徴です。

【総合系コンサルティングファームの例】
  • デロイトトーマツコンサルティング
  • PwCコンサルティング
  • アクセンチュア
  • アビームコンサルティング

総合系コンサルティングファームには、デロイトトーマツやPwCのように会計・財務のバックグラウンドを持つ会社が多くあります。

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IT系コンサルティングファーム

近年、投資が増えており、変化も大きいIT・テクノロジー領域。この領域のコンサルティングを行うのが、IT系コンサルティングファームです。テクノロジーに関連した課題を特定したり、難度の高いシステムの導入・定着を支援したりします。

【IT系コンサルティングファームの例】
  • ガートナージャパン
  • フューチャーアーキテクト
  • ベイカレントコンサルティング

今後この分野のニーズや市場が更に大きくなると見込まれているため、近年では戦略系や総合系のコンサルティングファームでもデジタル関連の専門チームを組成・強化するケースが増えています。

シンクタンク・組織人事系コンサルティングファーム

経済調査や官公庁向けのリサーチを行うのがシンクタンク系のコンサルティングファームです。マネジメントや人事のコンサルティングを行う部門も持つファームが多く、組織全体で使うITやシステムの開発・導入支援を行っているケースも珍しくありません。

【シンクタンク・組織人事コンサルティングファームの例】
  • NTTデータ経営研究所
  • 三菱UFJ リサーチ&コンサルティング
  • 野村総合研究所
  • 日本総合研究所

上記のように、シンクタンク・組織人事領域には日系の大手コンサルティングファームが多く存在します。

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財務系コンサルティングファーム

財務系のコンサルティングファームは、デューデリジェンスやバリュエーションなど財務・会計面から企業の現状を明らかにし、課題解決に取り組みます。またM&A戦略立案や事業再生など、課題を特定した後の改善支援を行うファームも多いです。

【財務系コンサルティングファームの例】
  • KPMGFAS
  • EYTAS

財務というのは、企業経営に密接した課題です。そのためデロイトトーマツやPwCのように、財務系コンサルティングから始まり、徐々に解決できる課題の領域の幅を広げて総合系コンサルティングファームになったファームもあります。 その一方で、上記のKPMGFASやEYTASのように財務に特化し続けているファームもあります。

日系コンサルティングファーム

シンクタンク・組織人事系以外にも、日系コンサルティングファームは存在します。小さなコンサルティングファームまで入れると数多く存在しますが、代表的なファームの一例として以下のような企業があります。

【日系コンサルティングファームの例】
  • リブ・コンサルティング
  • IGPI
  • 船井総合研究所

日系ファームは戦略立案だけでなく、実行支援まで行うところが多いです。またベンチャー企業やスタートアップと一体になり、新規ビジネスの立ち上げを支援することもあります。

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Q&A コンサルティングファームのランキングトップはどんな会社?

企業規模も案件の内容も異なるコンサルティングファームを比較し、評価するのは容易ではありません。戦略立案など上流工程を専門とするファームの売上が大きいとは限らず、国内とグローバルでの評価が一致しないこともあります。

今回は評価の一つの観点として、アメリカの人材紹介会社であるVault. comが毎年発表している「Vault Consulting Rankings」の2022年版のトップ3を紹介します。

1位 ベイン・アンド・カンパニー
2位 マッキンゼー・アンド・カンパニー
3位 ボストン コンサルティング グループ

※出典:Vault Consulting Rankings | Vault Top Consulting Films | Vault. com
ただしランキング上位に位置するコンサルティングファームであっても、「自分の希望に合った環境か」「社風がマッチするか」は別問題です。
就職・転職先として考える際は、自分が興味を持てるプロジェクトの多いところを選ぶようにしましょう。またコンサルティングファームごとに評価制度や働き方も大きく異なるので、応募前には自分に合った環境なのかを確認することをお勧めします。

コンサルティングファームが向いている人

コンサルティングを行う際には、まずはクライアント企業の課題意識をヒアリングし、課題や改善の仮説を立てます。そしてインタビューなどの調査によって仮説を検証し、課題解決に向けた施策を実施していきます。

プロジェクト期間中はクライアントファーストで働くことが多いため、他の業種と比べると休日や深夜の残業も多い傾向があります。

そのため、コンサルティングファームでの勤務は以下のような人に向いています。

  • 論理的に物事を考えることが好き
  • 新しいこと、難しいことに好奇心を持って取り組める
  • 持論にこだわり過ぎず、新しい発見に応じて仮説をブラッシュアップできる
  • 成果や結果にコミットできる
  • 相手の立場や意図をくみ取りながらコミュニケーションをとることができる

課題の分析や仮説の立案には、論理的思考力が欠かせません。またプロジェクトごとにクライアント企業やその課題は変わるため、知的好奇心や柔軟性も重要です。

またプロジェクト期間は限られており、その間に成果や結果を出す必要があります。クライアントの期待も高いため、成果や結果にコミットし、限られた時間を有効に使える人材が求められます。

またコンサルタントとしてもう一つ重要なのが、コミュニケーション能力です。クライアント社内の課題意識を引き出したり、クライアントが理解しやすいようにプレゼンしたりといった機会も多いため、相手の状況を踏まえたコミュニケーションが求められます。

Q&A 面接や採用ではどんなところが見られるの?

コンサルティングファームの採用では、論理的思考力が重視されます。そのため面接では「コンビニの商品の売上を上げるには?」などテーマを与え、その回答から資質を見極めるケース面接が行われます。このような形式の面接は、経験がないと戸惑うことも多いです。そのため事前に練習をして準備しておくと安心でしょう。

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コラム作成者
Liiga編集部
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