ビジネスコンサルタントとは?仕事内容や種類、年収、必要な資格まで総まとめ
2023/10/20
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企業の成長や経営改善に貢献するビジネスコンサルタント。入社難易度は高いですが、未経験や第二新卒での転職事例も少なくありません。

ここではビジネスコンサルタントの仕事内容や種類、年収に加えて、採用試験の傾向や対策を分かりやすく解説します。

ビジネスコンサルタントとは

ビジネスコンサルタントとは、企業経営における課題を第三者の目線から分析・発見し、課題解決に向けた提案を行う仕事です。高い専門性や論理的な思考力、分析力をもって企業の支援を行います。

コンサルタントにも「戦略コンサルタント」「ITコンサルタント」など様々な種類がありますが、企業の成長や経営改善に寄与するコンサルタントを総称して「ビジネスコンサルタント」と呼びます。

主な業務内容

ビジネスコンサルタントの主な業務は、以下の4つです。

  • クライアントや業界の現状分析と課題発見
  • 課題解決に向けた仮説立案と検証
  • クライアントへの改善策の提言
  • 改善策の実行支援とフォローアップ


分析では社員へのヒアリングや消費者へのインタビューなど、課題の特定に向けた情報収集や資料作成を行います。
次に、分析結果をもとに課題解決に向けた仮説の立案と検証を行います。そしてクライアントと議論を重ねながら、改善策を提言します。さらに現在は提言に留まらず、改善策の実行支援やその後のフォローまで行うケースも少なくありません。
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なおコンサルティングファーム(会社)に勤めている場合、業務内容は職位によっても変わります。詳しくは以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】結局何をする人?経営コンサルタントの職位ごとの仕事内容を確認

ビジネスコンサルタントの種類

一口に「ビジネスコンサルタント」と言っても、その種類は企業の経営課題に応じて様々であり、それぞれの専門性も異なります。ここでは代表的な5種類について、簡潔にご紹介します。

種類 提供するサービス 勤め先(ファーム)の例
戦略系コンサルタント 企業経営の上流〜中流にあたる領域のプロジェクトを主に担当。全社戦略など企業経営のトップに関わる案件が多い ・マッキンゼー・アンド・カンパニー
・ボストンコンサルティンググループ
・ベイン・アンド・カンパニー
総合系コンサルタント 企業経営の上流から下流まで、幅広い領域のプロジェクトを扱う。ファームの規模は大きい傾向があり、業務も細分化されていることが多い ・アクセンチュア
・デロイトトーマツコンサルティング
・PwCコンサルティング
ITコンサルタント IT戦略の立案やシステム設計・開発など技術的な面から企業を支援する。DX推進などでニーズが高まっている ・ガートナージャパン
・フューチャーアーキテクト
・ベイカレントコンサルティング
シンクタンク系コンサルタント 調査や研究をベースにしたコンサルティングサービスを行う。官公庁の案件を扱うことが多い ・野村総合研究所
・NTTデータ経営研究所
・三菱総合研究所
財務・会計コンサルタント M&Aや事業再生、会計業務フローの見直しなどを行う ・KPMGFAS
・EYTAS


コンサルタントの主な勤め先は、コンサルティングファームです。「ファーム(firm)」は英語で「会社」を意味します。
各ファームにはそれぞれ得意領域があり、入社するファームによって求められる専門性や携わる案件が変わります。ただし現在は「総合系ファーム」のように、幅広い案件に携わるファームも少なくありません。

【関連記事】日系・外資・大手コンサルティングファーム一覧

年収と労働環境

ビジネスコンサルタントの年収は、日本の平均的な年収に比べると高水準です。どのファームも基本的に実力主義であり、昇進して職位が上がると、年収も大幅に上がります。また基本給以外にインセンティブがあることも多いです。

ハードワークだが、やりがいのある仕事

クライアントに対して質の高いサービスを提供するため、ビジネスコンサルタントはハードワークであることが多いです。特にプロジェクトが大詰めを迎える時期は「早朝から深夜まで働く」といったケースも少なくありません。しかし以下のように、様々なやりがいを感じられる仕事でもあります。

  • 経営者クラスなど高い職位の人と仕事ができる
  • 様々な業種・規模の企業と関われる
  • 早くから責任ある仕事を担える
  • 成果に応じて年収が上がる

働き方改革も進んでいる

ハードワークになることが多いコンサルタント業ですが、最近では働き方改革も進んでいます。在宅ワークやフレックス制を採用していることも多く、「サービスの質が担保できれば、働き方は柔軟に」という考え方のファームも少なくありません。

アクセンチュア株式会社 マネージャー 井谷有寿氏

(働き方について)朝に家事をして遅めに出勤する人もいれば、夜は子供と過ごしたいので早めに帰る人もいますよね。プロジェクトの途中で育休に入った人もいました。もちろん、必要なアウトプットをすることが大前提ですが、きちんと責任をもってやっている分にはオフィスにいないことを責められることはないですね。

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ビジネスコンサルタントのキャリアパス

ビジネスコンサルタントは専門性の高い職種であり、分析力などにも優れているため、キャリアパスにも様々な選択肢があります。

  • 社内で昇進を続ける
  • 独立してフリーランスとして働く
  • 専門性を活かして新事業を立ち上げる
  • 同業他社へ転職する
  • 他職種へ転職する

社内で昇進を続けても充分な収入を得られますが、ビジネスコンサルタントの場合は独立や転職をする人も多いです。
他職種の転職先としては、大手の総合商社や事業会社、投資銀行などが挙げられます。また「会社や事業を育てたい」という想いから、PEファンドやスタートアップ企業に転職する人も少なくありません。

ビジネスコンサルタントになるには

コンサルタントは高収入で人気の高い職種であり、入社難易度は高めです。しかし新卒採用に限らず、第二新卒や未経験も含めた中途採用の事例も多いです。

ポテンシャル採用が基本

コンサルティングファームはポテンシャル採用、つまりスキルや経歴ではなく「潜在能力」を重視するケースが多いです。そのため第二新卒や未経験者の採用を積極的に行っているファームが多数あり、30〜40代の未経験者がマネージャー職に就くこともあります。

【求人情報】未経験応募可のコンサルタント求人情報をチェックする

KPMGコンサルティング マネージャー R.S氏

(事業会社からの転職で経験が役立ったことは)例えば、新卒でコンサルティングファームに入った方は「どうして部門を1つ越えるだけでこんなに大変なのか」を肌で理解するのは難しいのではないでしょうか。そういったところは身をもって体験してきたので、クライアントの気持ちに寄り添いやすいと思います。(中略)
入社前は、全てが未経験なので、コンサルタントとして生かせるスキルなんてないんじゃないかと思っていましたが、振り返ってみるとどんな経験も無駄にはなっていないと感じています。

※インタビュー全文はこちら

あると良い資格

コンサルタントを目指すにあたって、必須の資格はありません。ただしファームによって「有利になる資格」はあります。例えば財務系なら、税理士や公認会計士といった会計系の資格があると有利です。
またファームに関係なく、最近はグローバル案件を扱うことが多いので、英語の資格もあると良いでしょう。
具体的な資格情報は、以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】コンサルタントへの転職やキャリアアップで有利になる資格一覧

求められる人材・能力

コンサルタントに求められる能力は、主に以下の4つです。

  • 論理的な思考力
  • ヒアリングやプレゼンに必要なコミュニケーション能力
  • 経営学、法律、マーケティングなどの専門知識
  • 各社の動向やトレンドなどへのキャッチアップ

新卒や第二新卒の採用では、知識よりも思考力やコミュニケーション能力が重視される傾向があります。特に論理的な思考力は欠かせず、この力の有無で合否が決まると言っても過言ではありません。
他業種からの転職では、応募するファームに応じた専門性やクライアントの業界に関する知見があると、有利になりやすいです。また最近はDX関連のプロジェクトが多いため、IT関連の知見があると重宝されます。

【関連記事】2023年最新!コンサル転職市場と押さえておくべき動向

採用試験の傾向

コンサルタントの採用試験は、「書類選考→筆記試験(適性試験)→数回の面接」の流れが一般的です。面接の回数はファームごとに差があり、中には5回以上の面接を行う場合もあります。 description
採用試験で独特なのが、「論理的な思考力」の見極めを目的としたケース面接です。以下のように、具体的なケースについて自分なりの検討結果を求められます。

ケース問題で求められるのは「正解」ではありません。「論理的に考えた上で結論に至っているのか」「事実と仮説の区別ができているのか」「優先順位をつけた提案ができているのか」といった点が見られます。
ケース面接は回答のテクニックや思考プロセスを学び、何度も練習することが重要です。
なお面接以前に、SPIなどの筆記試験が足切りとして使われることも多いです。コンサルタントを目指すならケース面接への対策はもちろんのこと、筆記試験の対策も欠かせません。
以下の関連記事では、コンサルタントの採用試験のポイントや具体的な対策をご紹介しています。

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一口に「ビジネスコンサルタント」と言っても、種類や扱う案件はファームによって様々です。働き方や雰囲気もファームごとに大きく異なるため、応募前には「どんな案件に関わりたいか」「どういった環境で働きたいか」をよく考えましょう。

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コラム作成者
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